大阪港振興協会設立趣意書

設立趣旨

現下我が民族の危機とまで叫ばれつつある敗戦日本の経済再建は、内に荒廃せる産業の復興と、外に貿易の速やかなる振興に挨(ま)たねばならぬことは固(もと)より異論のないところであろうと存じます。
由来我が大阪の日本経済に占める宿命的と迄いわれる歴史的特殊性と地理的諸条件を稽(かんが)へます時に、我が大阪の復興再建は直ちにもって祖国日本の再建につながる所以(ゆえん)であり、また大阪の復興は大阪港港勢の復興を離れてあり得ない事であります。
而(しか)して今や我が国民間貿易の再開せられる日も目睫(もくしょう)の間に迫りつつある際、時を同うして我が大阪港復興計画又全く新たな構想の下に正にその緒につかんとするに当たりまして、過去半世紀にわたり巨億の市財を傾けて市民の港として拮据(きっきょ)した跡に鑑み其の速やかならんことを祈念してやまぬものであります。
畏(かしこ)くも今回関西地方ご巡幸に際しては特に大阪港にも行幸あり大阪港復興再建について格別の思召しを拝し関係者等しく感激に堪えないとともに深く其の責任の重大さを痛感する次第であります。
即ち茲(ここ)に同憂の士と相計り大阪港復興に関する諸般の対策の速やかなる具体的実現を促進するため強力なる市民運動の前衛としての大阪港振興協会の設立を企画し広く同士諸賢の御参加を得て其の目的貫徹に挺身せんとするものであります。

会の事業

本会は組織的かつ民主的運動により大阪港の築設、運営に関し関係者相互に緊密なる連携をとり綜合的調査研究を行うと共にその他の具体化に関する諸方針を樹立して之が実現を強力に推進する。

会の運営

規約をもって所要の機構を整備し、会の経費は全員より会費及び寄付金等により運営する。

設立の時期

昭和22年7月10日

附

尚本会設立と共に大阪港開港記念日協賛会は発展的に解消し其の他の同種目的の諸団体の発展的合流を希望する。

昭和22年6月 発起人代表 中井 光次、太田 丙子郎、山本 五郎